本の紹介「はじめての手製本」美篶堂
手製本の会社「美篶堂」の本です。
前半が本の作り方の解説、後半が美篶堂が手がけた本と会社の紹介です。
最近になって知ったのですが、日本の手製本は、西洋のルリユールとはちょっと違った日本独自で発達した部分があるみたいです。
美篶堂で使う道具類はおそらく、和装本の流れからきてるのかと思います。竹べら、折りヘラ、竹指輪など。歴史を調べてみたいものです。
本の作り方は下記の7種類載っています。
- 和綴じ(袋綴じ・四方掛け)
- 角背上製本(絵本)
- 丸背上製本
- 豆本と箱(アルバムとスリップケース)
- 折本(アコーディオンアルバム。張り合わせるタイプ)
- 本型の箱
- フランス装
和綴じは糸の綴じ方(四つ目綴じ・高貴綴じ・麻の葉綴じ・亀甲綴じ)など詳しく載っています。
上製本は糸綴じではなく、背をボンドで固める方法なので、糸かがりの仕方は知ることはできません。表紙の作り方はわかりやすいです。
箱の作り方はとても参考になりました。カルトナージュとはまたちょっと違う作り方ですが、効率的に作れます。
フランス装は他の製本の本では解説されてるのを見たことないので貴重です。
ちなみに、この本自体もフランス装でできています。(カバーをはずすとわかります)
この本を読んで、はじめて手製本するにはちょっとハードルが高いかと思いました。(竹へらなどまず道具が近所で売ってません…代用品を紹介してもらえると良かったかと。)
日本の製本職人が、どんな風に本を作るのか、どんな本を作っているのか、というのを知るにはとても良い本です。